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福井県 河野村
1 村の概要
河野村は福井県の海岸線のほぼ中央に位置し、武生市の中心からは西南に約10キロメートルにある。急崚な山地が海岸線にまで迫り、人びとはわずかの空間に寄り添うように住んでいる。村の総面積は49.48平方キロメートル、このうち94%が山林で占められている。そうした立地条件から農耕地は少なく、主たる生業は漁業であるが、昭和30年代の高度成長のなかで当村でも人口の流出がはじまり、第一次産業の従事者は急激に減少、その傾向はいまも衰えてはいない。明治22年4月、河野村が誕生した当時、人口は3,919人、昭和35年の段階でも3,743人であったものが、平成2年には2,574人に減じている。
昭和45年、国道305号が、昭和52年には河野海岸有料道路が整備されたことで、海岸地区にある当村からも武生市や鯖江、敦賀市など近隣都市への通勤が容易となったことで第二次産業への就業者がふえる一方、同じ理由から、昭和43年越前海岸国定公園に選定された海岸線地区への観光客(ただし通過型)の増加に対応し、旅館、民宿など第三次産業就業者もふえている。もっとも、第二次、第三次産業とも第一次産業からの流動で、この傾向はさらに進むものと思われる。

2 「北前船のむらづくり」事業
このような状況のなかで地域活性化の方途として取上げられたのが、当村と深い関わりをもった北前船の遺構や資料を生かす「北前船のむらづくり」事業である。
北前船とは江戸後期から明治中期まで、上方から瀬戸内海を西へ、下関で日本海
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